飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤代真一、東証一部:3963)は、飲食店.COM会員を対象に、トラブルに関するアンケート調査を実施いたしました。
<本調査について>
■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:269名
調査期間: 2018年9月25日~2018年10月2日
調査方法:インターネット調査
■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち67.7%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は51.7%(首都圏の飲食店の割合は72.9%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。
<調査結果について>
■厨房機器や空調の不具合、お客様とのトラブルなどが起きやすい
まず、各トラブルの発生頻度について聞いたところ、以下のような結果が得られました。
発生頻度が「数ヶ月に1回くらい」、「年に1回くらい」、「数年に1回くらい」と答えた回答者の合計が最も多かったトラブルは、「厨房機器の不具合(81.4%)」となり、次いで「空調の不具合(71.8%)」、「お客様とのトラブル(69.5%)」と続きました。また、「トイレや水回りの水漏れ(62.0%)」、「配管のつまり(55.4%)」、「天災等による休業(52.0%)」についても、半数以上の飲食店が経験しているという結果が出ています。
■トラブルに備え56.9%の飲食店が保険へ加入
次に、トラブル発生に備えて実施している施策について聞いたところ(複数回答可)、「保険への加入(56.9%)」、「定期メンテナンスの実施(47.2%)」、「緊急サポート会社の連絡先を把握(30.9%)」、「防犯カメラの設置(26.0%)」、「勤怠管理システムの導入(20.4%)」、「その他(3.7%)」、「特に実施していない(15.2%)」、という回答が得られました。
■多くの飲食店が様々なトラブルを経験
引き続き、過去に最も困ったトラブルについて自由記述形式で聞いたところ、水回りや設備などの不具合、客の迷惑行為・損害賠償請求、盗難被害・従業員の不正、ネット上の中傷、天災など、様々な回答が得られました。
<水回りや設備などの不具合>
・水回り、空調、電気ガス等のトラブルが営業中に起こった時。料理が出せなくなり途中でお客様に帰っていただくという事態があった。(神奈川県/イタリア料理/2店舗)
・夏の1番暑いランチタイム前に、エアコンの室外機が故障し、お客様に大変暑い思いをさせた。(東京都/アジア料理/3~5店舗)
・トイレの排水が週末につまりお客様に多大な迷惑をかけた。(東京都/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
・トイレのつまり。緊急を要することなので相見積もりなどを依頼する時間もなく、多額の修理費用がかかった(価格として適正だったのか、判断する術なし)。 (神奈川県/専門料理/1店舗)
・店舗が居抜き物件であったため、排水管の勾配が悪く月に一度程度は排水の詰まりで水が溢れてきてしまう。定期的に業者に排水管の工事を依頼するも最終的には業者側もお手上げとなり、最終的には床下の排水管の勾配工事を行った。当然ではあるが水回りの為、非常な高額な工事となってしまった。(東京都/和食/1店舗)
・通信不具合でクレジットカード決済が突然不能になったこと。(東京都/和食/2店舗)
・ねずみの発生。店裏の古い建物が取り壊しになった直後だったのでおそらくそれによるものかと。食材は袋ごとかじられ、糞もあちこちにあり、一時期は毎日大変でした。(神奈川県/イタリア料理/1店舗)
<客の迷惑行為・損害賠償請求>
・新規の泥酔客が迷惑行為を繰り返し警察沙汰、客席での嘔吐。(東京都/バー/1店舗)
・お客さま同士の警察沙汰な喧嘩。(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・お客様の言いがかり。数日経ってから髪の毛が入っていたのでタダにしろと店内でクレーム。(東京都/専門料理/1店舗)
・水回りの故障により、お客さんがトイレの水がかかったとの損害賠償請求。(東京都/フランス料理/2店舗)
・「害虫が混入していたために気分が悪くなり嘔吐して服が汚れた」とのお客様からクレームを受けて、服の代金を請求されたこと。異物として提示された小さな害虫は乾燥しており、また嘔吐した現場を誰も目撃しておらず、金銭で解決せざるを得なかった。(神奈川県/和食/3~5店舗)
・パートさんが過ってお客様にお茶をかけてしまって、治療費、慰謝料、タクシー代、スポーツジムの月謝等々請求されたこと。(神奈川県/寿司/1店舗)
<盗難被害・従業員の不正>
・現役従業員による店舗侵入、現金の盗難。(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
・盗難によりレジごと盗まれ、レジが裏の畑の方に壊れて捨ててあった。レジの中のお金よりレジが80万円位したのでそれが困った。が、保険に入っていてよかった。(神奈川県/焼肉/1店舗)
・注文を受ける際、手書きの伝票を使用していたことがあり、会計を打たず、伝票を破棄し、その金額を横領していたことがある。(東京都/アジア料理/11~30店舗)
・従業員が控室で他のスタッフの金を盗んでいた。レジからも盗んでいた。(東京都/鉄板焼き・お好み焼き/1店舗)
・店長の横領とその後の無断退職。 (埼玉県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
<ネット上の中傷>
・お客様の勘違いによる一方的な非難。ネットへの悪意溢れる書き込み。(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・「予約した料金の何倍も請求された」等とネットでウソの中傷を流された。私ひとりで運営できる規模なので、ありえないことです。しかし反論もできず悔しい思いをしています。(埼玉県/カフェ/1店舗)
<天災>
・営業中にゲリラ豪雨により店内の浸水。それに伴い停電。会計業務もままならない状況。(千葉県/焼肉/101店舗以上)
・台風により周辺が停電し、営業出来なかった。(香川県/カフェ/2店舗)
・悪天候による休業による売上ダウン。 (広島県/カフェ/6~10店舗)
■トラブル予防のポイントは、事前の想定、教育、メンテナンス、保険、など
引き続き、トラブルの予防や対処の観点で有効だと思う施策について自由記述形式で聞いたところ、以下のような回答が得られました。
・厨房機器や空調、もろもろの設備に関してはとにかくメンテナンスをして清潔に保つことに限ると思います。(神奈川県/イタリア料理/1店舗)
・未然に防ぐため、毎日不具合がないか確認をする。トラブル発生時、すぐに対処できるよう、各社の連絡先をリスト化しておく。(奈良県/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
・普段から何か困ったときに頼れる信頼出来る業者を見つけておくべきだと思った。また、不調がなくても定期的なメンテナンスが必要だと感じた。(東京都/イタリア料理/1店舗)
・リスクヘッジの整理、準備が重要だと考えています。例えばガスが使えなくなった場合を見越してガスコンロを準備しておく。冷蔵庫が使えなくなった時のために保冷BOXを用意しておく。またミスが起きてしまった際に再度起きない様にチーム内で事例の共有、再発防止の仕組み立案も大切です。(東京都/フランス料理/1店舗)
・天災はどうする事も出来ないのでまさかの時の危機管理マニュアルと緊急時用の応急処置の道具などは用意している。(香川県/カフェ/2店舗)
・ありがちな想定範囲のトラブル対処法は簡潔にまとめ、日頃からスタッフに読ませておく。全く想定外のトラブルについてはその都度、現場とオーナー間で連携を取りながら対処しています。(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
・保険の加入は必須です。 最近の保険は幅が広く色々なトラブルに対応しているので、万が一の時に冷静に判断できる事に繋がると思います。(大阪府/イタリア料理/1店舗)
・物件の火災保険はもちろんのこと、独自で損保や特約をつけておくこと。(大阪府/専門料理/1店舗)
・レジ金などお金関係は、スタッフにはカメラがあり監視してる旨、伝える。監視してなくても、してると伝え、予防線をはっておく必要がある。スタッフも人間、出来心を発生させないよう、まだそのスタッフ自身を守る為にも、カメラは必須。弊社は店舗ごとに二台はつけてます。(東京都/アジア料理/3~5店舗)
・店の外での自転車の盗難に三度くらいあっているが、ダミーの防犯カメラや、センサーライトを設置してからは起きていない。(東京都/イタリア料理/1店舗)
今回のアンケートから、飲食店で発生するトラブルは多岐にわたっており、なかでも厨房機器や空調の不具合、お客様とのトラブルなどが起きやすいという結果が得られました。すべてのトラブルを事前に想定することは困難ですが、少なくとも、営業が続けられなくなるようなトラブルやお客様に迷惑がかかるトラブルなど、深刻なものについては事前に対策を検討しておく必要があると言えそうです。
飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ
https://www.inshokuten.com/research/company/
引用元:PR TIMES